左から吉井香奈恵、村田寛奈、トレヴァー・ホーン、佐武宇綺、西脇彩華
音楽:トレヴァー・ホーン
ED主題歌&本人役:9nine(吉井香奈恵、村田寛奈、佐武宇綺、西脇彩華)
音楽ディレクター:野崎圭一(司会進行兼インタビュアー)
─サマーソニックでのトレヴァー・ホーンバンドと9nineのスペシャルコラボ、お疲れ様でした。
トレヴァー・ホーン(以下トレヴァー):9nineの皆さんが素晴らしかったです。バンドと一緒にやるのは普段とは違うので彼女たちには難しい状況だったと思いますが、見事なダンスと歌を同時に披露してくれました。
村田寛奈(9nine、以下村田):生バンドと一緒にパフォーマンスをするのは、9nineとして初めての経験でした。(バンドの)音を聞いてリズムを取ったりと、気を付けることがいつもより多かったんですけど、バンドメンバーの皆さんがすごく仲良くしてくださったので、サマーソニックのステージをエンジョイすることができました。
─日本のアニメやアイドル文化に対して、どのような印象を抱いていらっしゃいましたか?
トレヴァー:『となりのトトロ』を観た時から日本のアニメーションにすごく興味を持って、日本のコミックなども知っていました。シール(イギリス・ロンドン出身のシンガーソングライター。トレヴァー・ホーンが数多くの作品のプロデュースを手掛ける。)が日本の漫画や雑誌をたくさん持っていたので、彼から影響を受けました。
─直接お話をするために、トレヴァー氏のご自宅にお伺いしたときの長濵博史監督の印象はいかがでしたか?
トレヴァー:最初は『THE REFLECTION』というものが一体何なのか理解するのに時間がかかりました。ただ、長濵監督のこの作品に懸ける熱い気持ちは伝わってきたので、この人とだったら一緒に仕事ができるんじゃないかと思いました。一緒に仕事をする上で、思っていることをきちんと伝えてくれないとこちら側としてもこれでいいのかと不安になることがありますが、長濵監督は求めているものをきちんと言葉にしてくれる方だったのでとても良かったです。さらに、自分らしさを出してもいいということだったので、そこで自由を得ることもできました。英語には“over the top”という表現がありますが、何かに縛られないで大胆に自分を出せたので非常に良かったです。
─ED主題歌「SunSunSunrise」は、どのように制作されたのでしょうか?
トレヴァー:「SunSunSunrise」はイントロ部分のアイディアだけ出して、それをベースにサイモンが曲を書いてくれたので、私が歌詞を付けました。また、今回もバンドメンバーのロル(・クレーム)と一緒に曲を作りました。劇伴の中の「I Am Alone with Sadness」というチェロで始まる曲は、ロルが作った中でも大好きな曲です。そういう風に仲間とスタジオで曲を楽しく作っていくのが好きです。その仲間をスタジオから引っ張り出すために、今回は日本に連れて来てバンドでもプレーしてもらおうと思いました(笑)。
─初めてトレヴァー氏とお会いした時の印象をお教えください。
西脇彩華(9nine、以下西脇):神様みたいな存在なので、本当に実在するのかがまず分からなくて(笑)。実際にロサンゼルスに行ってお会いしたときは本当に夢みたいでした。
佐武宇綺(9nine、以下佐武):めっちゃ良い匂いがしました(笑)。
村田:ナイスガイ!(笑)
吉井香奈恵(9nine、以下吉井):ロサンゼルスで一緒にお寿司を食べに行ったときも、すごく気さくに話をしてくださって、本当に夢のような時間を過ごすことができました。バンドの方々と一緒にいる時間が多くなったので、挨拶を通してすごく会話も増えました
佐武:もう虜です(笑)。
─9nineの皆さんの歌が入った「SunSunSunrise」を聴いたときの感想をお教えください。
トレヴァー:ボーカルパートを受け取ったときはとても嬉しかったです。彼女たちが歌える範囲のキーに合うように曲を書きました。先に収録していた英語バージョンの歌を聴いたときに若干ピンとこない歌い方のところがあったんですが、9nineが歌っている日本語バージョンは逆にその気になった部分がすごく良い印象に変わりました。ボーカルがとても力強くて、日本のスタッフのレコーディングはプロフェッショナルそのものでした。もしかしたら、これは私に届けるものだからと、すごく頑張ってくれたのかなと思いました(笑)。
─トレヴァー氏の今のコメントを聞いて、9nineの皆さんはいかがですか?
一同:嬉しい〜!
村田:光栄過ぎます。
西脇:以前、新聞の取材のときに一緒にコラボレーションできて嬉しかったですというコメントをトレヴァーさんから頂いたんですけど、それだけでも本当なのかと疑ってしまって(笑)。こうやってご本人を目の前にして直接言葉で聞けて、自分たちが今まで活動してきて良かったなと思いました。これからも頑張っていく糧になりますね。ありがたいです。
─EDのダンスの振付けは、どのような経緯で決まったのですか?
村田:今回の振付けは9nineの曲の中で、手や足の動きが激しくて一番難しいかもしれません。私たちの代表曲「SHINING☆STAR」の振付けを作ってくださったRuuさんに、9nineとしてここから新たなステップが踏めたらという気持ちでもう一度お願いをしようという話になりました。Ruuさんは世界大会で優勝されるような方で、私たちも成長したところを見せようと意気込んで振入れに行ったんですけど、あまりにも振付けが難し過ぎて見事に撃沈しました…(笑)。世界で活躍されている人はこんなにもすごいのかと思いましたが、今回は世界的に有名なトレヴァーさんに曲を書いて頂いたので、私たちも上を目指してやっていかなきゃという強い気持ちが芽生えました。
西脇:原作のスタン(・リー)さんや長濵監督、そしてトレヴァーさんといった素晴らしい製作陣の方々は本当に私たちにとってヒーローです。その中で私たちが仲間に入って何ができるのかなと考えたときに、やっぱり9nineの武器は長濵さんが好きになってくれた歌とダンスだと思ったんです。それをアニメの中に組み込んで頂けることは本当に光栄なことで、私たちも作品の力に少しはなれたのかなという想いになりました。
─9nineの皆様はED主題歌だけでなく、ご本人役としてもご出演されておりますが、いかがでしたか?
吉井:うっきー(佐武)以外の私たち3人は、本当に人生で初めての声優挑戦で何も分からない状態だったんですけど、うっきーにイチから色々と教えてもらい、皆で協力し合いながら頑張りました。
佐武:ゲスト声優という立ち位置だと普通は他の声優さんとは違う形で収録するので、今回もそうなんだろうなと思っていました。長濵監督は現場の皆さんと一緒に声を合わせて演技をすることを大事にされている方なので、エクスオン役の三木(眞一郎)さんたちと同じ現場で一緒にアフレコすることができて、そのことがまず幸せだなと思いました。
吉井:私たちは役というより自分自身なので、長濵監督も「自分たちがいつも会話しているそのままの声で、ナチュラルな感じで大丈夫だよ」と言ってくださって。
─方言もOKでしたよね。
村田:まさか方言がアニメでできるとは思わなかったです(笑)。
─キャラクターもそのまま描いてもらっていましたよね。
吉井:長濵監督がいつも私たちのことを見てくださっているんだなということにビックリしました。
西脇:第2話で自分の愛犬を出してもらったんですよ(笑)。そういうことも普段からのコミュニケーションがないと実現しないことだと思うので、本当にリアルな自分たちをゼロから描いてもらっていると思います。
─『THE REFLECTION』をご覧の皆様にメッセージをお願いいたします。
村田:私たち9nineも本人役として出演させて頂いたり、ED主題歌を担当させて頂いたり、様々な形で『THE REFLECTION』という作品に参加することができて本当に光栄です。長濵監督、スタンさん、そしてトレヴァーさん、声優の皆さん、携わったスタッフの皆様に対する感謝の気持ちを忘れずに、これからも頑張っていきたいと思います。今日はありがとうございました。
一同:ありがとうございました。
─実はトレヴァー氏も作品の中に登場されていて、英語バージョンではご自身の声で出演されていますが、そのご感想をお聞かせください。
トレヴァー:自分は声優をやらない方がいいと思います(笑)。声優は声でドラマを描くことが非常に大事です。今回同じシーンで私の娘のアリーが登場しますが、君もアニメに登場するんだよという話をしたらとても驚いていました。私にとっても人生初の経験だったので非常に面白かったです。